プラスチックに依存しない暮らしへ。「エコな毎日」のヒントを求めて。

slowz編集部

毎日の食事、なるべくなら体にいいものを食べたい、家族にも食べてもらいたい。

そんな思いで料理をしている人も多いと思います。


「なるべく身体にいいものを」と思って食材選びをしていても、「人間は1週間にクレジットカード一枚分の量を体内に摂取している可能性がある」という情報があるというのもご存知ですか?


オーストラリアのニューカッスル大学の研究チームによると、2019年、世界中の人が毎週約5g(クレジットカード1枚分に相当)のマイクロプラスチック粒子を水道水などから摂取している可能性を示唆。1年間に換算すると250gに相当するとWWFにも記載がありました。


私たちが、知らない間に、目に見えないほど小さくなったプラスチックを食べたり飲んだりしている可能性があるなんて、衝撃的ですよね。

■プラスチックごみの脅威はすぐそこに…


プラスチックが自然界、特に海に放置された場合、紫外線や潮の流れ、打ち付ける波によって徐々に細かくなりはしますが、微生物が分解できる性質でないものがほとんどのため、最終的に自然界に存在する物質にまで分解されることはありません。

(仮に分解できても百年単位の時間がかかるとの試算があります)

毎年海に流れ出るプラスチックごみの総量は約800万トンといわれていますが、それらがマイクロプラスチックになり、海の中に溶け込んでいるのです。


プラスチックごみやマイクロプラスチックが食物連鎖で人間の体内までたどり着いているのは容易に想像できますが、まさか週にクレジットカード1枚分とは…

プラスチックは性質的に有機汚染物質を吸着しやすいだけでなく、加工の際に様々な添加物が使用されていて、そのプラスチックを食べた海鳥の体内からは実際に添加物が移行していることが分かっています。

これでは、人への影響がゼロとは考えにくいですよね。




■プラスチックとの付き合い方を変えてみる

プラスチックは身の回りにあふれていて、毎日の生活に欠かせないもの。考えてみれば、私たちは物心ついた頃からプラスチックに囲まれて生きてきました。

その結果、日本人の1人当たりのプラスチック廃棄量はアメリカに次いで世界第2位になっています。


800万トンのプラスチックごみをいきなりゼロにしましょうと言われると気が遠くなりますが、大量生産、大量廃棄が当たり前になってしまっているこの状況を少しずつでも変えていくことはできないでしょうか?

まずは、毎日の生活をちょっとずつプラスチックフリーにしていく。それが、将来的に自分たちの健康を守ることに繋がるはずです。


「プラスチックフリー」と聞いて、快適さを手放さなければならないようなネガティブなイメージを持った方もいることでしょう。

でも、こんなこともプラスチックフリーにつながると聞いたらいかがでしょうか?


・プラスチック以外のもので代用できるものは代用する

・プラスチックは使い捨てせず、なるべく繰り返し使う

・プラスチックを使用した場合は、廃棄の方法に気を付ける


意識して素材を選ぶようになると、本当にプラスチックでなければならないものは意外と限られていることに気づけます。




■プラスチックフリーのヒントが詰まった本も参考に


どこかで置き忘れてしまいそうなビニール傘をやめてお気に入りの傘を長く使ったり、外出するときは必ず飲み物を持参してペットボトルの購入を控えたり、必要以上にゴミが出てしまう個包装のお菓子は避けたりなど、身の回りにはたくさんのプラスチックフリーのアイディアが見つかります。


また、最近ではプラスチックフリー生活のヒントを発信する書籍も増えてきました。


おすすめは、「暮らしの図鑑 エコな毎日」(発行:翔泳社/ 著者:中嶋 亮太、古賀 陽子) です。日々の生活でできるプラスチックを減らす75のアイデアとともに、プラスチックごみ問題の基礎知識や、環境にやさしいモノ選びについて知ることができます。




著者の中嶋さんは海洋関連の大手研究機関で海洋プラスチック問題について研究を行う生物海洋学者。中嶋さんの妻である古賀さんは、主婦目線でプラスチックフリー生活を実践し、ご自身のメディアや書籍でそのノウハウを発信されています。


この本には、キッチン、掃除、洗濯、トイレ、洗面所、お風呂、リビングや寝室など、シーン別にプラスチックフリーのアイディアがまとまっています。

自分では思いつかないことや、知らなかったプラスチックフリーグッズの情報も得られ、本を参考に少しずつプラスチックを減らしているところです。



■本を参考にコーヒードリップで脱プラスチック!



竹でできたコーヒードリッパーです。

今まで使っていたコーヒードリッパーはプラスチック製のため数年で劣化し買い替えていましたが、本のアイディアをきっかけに、思い切って竹製を選んでみました。


毎朝コーヒーを落としながら、丁寧に編まれたドリッパーを眺めているとなんだか一日を気分よく過ごせるようになった気がします。



プラスチックフリー生活を心がけるようになって、便利だからと言ってすぐにモノを買うこともなくなり、空間が少しずつシンプルになってきました。

天然素材のものや手作りの製品は使い込むうちに味が出てきます。目指すのは、長く使えるお気に入りのモノに囲まれた生活。

我が家はまだまだプラスチックが多いので納得のいく空間を作るには時間がかかりそうですが、本も参考にできるところからプラスチックフリーを進めていきたいと思います。


あなたもぜひ身近なところから、プラスチックフリーという選択を始めてみませんか?



▼今回ご紹介した書籍はこちら




「暮らしの図鑑 エコな毎日」(発行:翔泳社/ 著者:中嶋 亮太、古賀 陽子)

https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798173580





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