家庭でできる生ごみ対策

slowz編集部


皆さんは、家庭の生ごみ対策はどうしていますか?私slowzライターTは料理が趣味なんですが、とにかく片付けが苦手。コバエが発生するし、臭いも困ります。マンションに住んでいる私はエレベーターで生ごみを捨てに行くこともなんだか気が引けるし、頭を抱えています。


でも、どうしても毎日出る生ごみは避けるわけにはいきません。「どうしよう?」と考えて、思いついたのが『コンポストを始めてみよう!』と言うこと。いろいろ調べていくとコンポストは、使うことにより生活が循環して地球にも優しいことがわかりました。コンポストはとても便利な生ごみ処理機なので、まずは次に詳しくご紹介しますね。


【コンポストとは生ごみを発酵、分解して堆肥を作ること】

コンポストは、生ごみを微生物の働きで発酵、分解させること、また発酵、分解してできた物のことを言います。家庭で出た野菜くずなどの生ごみを土に入れ、微生物の働きで処理していく仕組みです。処理するのに時間はかかりますが、自然でコストのかからないやり方です。コンポストという言葉は、英語のcompostからきていて、意味は「堆肥、堆肥化」です。また、堆肥を作る容器はcomposter(コンポスター)と言います。日本では、コンポストコンポスターも、堆肥化する容器と理解されています。コンポストをやることによりできた堆肥は、土に存在する微生物や有機物の働きを活用して、土に栄養を与えて土壌を改良します。そしてその結果、野菜や植物がよく育ち、無農薬栽培も可能です。これは日本に昔からある堆肥作りと同じシステムです。


ご参考までに、堆肥と肥料は別の物で、役割が違います。堆肥には肥料成分が含まれていますが、堆肥はその肥料成分としての効能というより、土壌の改良として使われます。


【コンポストのメリット】

次に、私なりに考えたコンポストの良い点を挙げてみます。


⚫︎諸々の生ごみ問題・・・例えばコバエ発生を防いだり、悪臭の問題がなくなり、また生ごみを捨てる手間が省ける。

⚫︎堆肥を自分で作ることができ、無農薬の野菜や果物を作ることができる。

⚫︎生活が循環する。

⚫︎ごみ袋が必要ない。スーパーでもビニール袋をもらう必要がなくなる。

⚫︎ごみが減り、焼却する時の燃料や費用が減る。

⚫︎ごみを焼却する時の二酸化炭素が減る。


以上のことに魅力を感じています。家庭の生ごみ対策はもちろん、自分で堆肥を作ることができるので美味しくて安全な野菜や果物を作ることができるのは嬉しいです。また地球環境にも良いコンポスト、自分の身近なところから暮らしを見つめ直すことができます。


【コンポストの種類】

それでは次に、いったいどのようなコンポストがあるのか、具体的に挙げてみます。


①トートバッグ型コンポスト

専用バッグに基材を入れ、家庭の生ごみを入れてよくかき混ぜます。持ち運びもでき、マンションのベランダでも使いやすいです。

トートバッグ型コンポスト。マンションのベランダで使える


②段ボールコンポスト

段ボールに基材を入れて、生ごみを入れかき混ぜ、最後に熟成させます。段ボールは庭やベランダでも使いやすいです。数ヶ月ごとの交換が必要です。

段ボールコンポスト




以上、コンポストにはいくつか種類があるので、自分のライフスタイルに合ったコンポストを選ぶことができます。


【実際に私がコンポストを使ってみた感想】

早速、マンション住まいの私はトートバッグ型のコンポストを購入、使い始めましたのでレポートします。私が購入したものは『LFCコンポスト』と言うベランダでも使えるトートバッグ型で、基材がセットになっていてとても便利です。

トートバッグ型コンポスト。ペットボトルや廃プラスチックから作ったリサイクル素材でできている


基材。植物性の有機性廃棄物をゴールデン比率で独自にブレンド、ごみの分解が速く進むように配合している。分解促進剤も不要


使い方は、まずトートバッグに基材を入れます。基材は軽く、乾燥していてとても扱いやすいです。スコップも用意します(ステンレス製がおすすめ)。

ちょうど良い量の基材がセットになっている


そして、毎日生ごみを投入、それを3週間続けます。1日の投入量の目安は、〜450gです。少ない場合は1ヶ月以上続けて投入できるそうです。私の場合は、日々の生ごみの量を計ったら、1日約200g〜350gでした。

1日目。野菜の皮、卵の殻、きのこの石づきなど



混ぜる。生ごみのサイズはひと口に切って入れた方が良い


3日目。野菜の皮、卵の殻、果物の皮、きのこの石づき、出汁をとった後のかつお節


投入後はよく混ぜる


5日目。野菜の皮、野菜くず、卵の殻、果物の皮


よく混ぜる


10日目。野菜の皮、野菜くず、卵の殻、出汁を取った後かつお節、魚など。10日間入れ続けてもさらっとして臭いも気にならない


生ごみを投入後はしっかりとファスナーを閉めます。『LFCコンポスト』のファスナーは特注ファスナーで、虫や雨水が入るのを防いでくれます。コンポストをやる前は「虫の問題は大丈夫かな?」と少し不安だったのですが、このファスナーで解決。とても便利で嬉しいです。

虫と水の侵入を防ぐ非水ファスナー


あとは、ベランダの風通しの良いところに置いて、毎日生ごみを投入していきます。ベランダに置く時、トートバッグの下にはプランター台やカゴなど通気性が確保できる物を置いてから、その上にトートバッグを置きます。私はプランター台を置きました。

ベランダの風通しの良い所に置く


現在10日目が経過しましたが、臭いも虫問題もなく、順調に進んでいます。3週間の生ごみ投入期間が終わったら、次に3週間の熟成期間があり、途中で水を足しながら身の回りの微生物が発酵、分解して堆肥ができるのを待ちます。『生ごみを基材に混ぜて、チャックを閉めて、熟成する』。これだけで良いので、私でも続けられそう。


ちなみに、このトートバッグは基材を入れても軽くて持ち運びしやすいのもポイントです。熟成期間は水を入れるので若干重たくはなると思いますが、それでもトートバッグ型なのでとても便利です。またインテリアになじみやすい色も気に入っています。


【基材に入れて良いもの、いけないもの】

基材に入れて良いものは、調理くず、食べ残し、傷んだ食品、油(1回につき100ccまで)、肉、魚、骨、コーヒーかす、茶殻などです。また入れてはいけないものは、貝殻、栗の皮、たけのこの皮、トウモロコシの皮、落ち葉、生花、雑草、ティーバックの紙など。個人的に、賞味期限が切れてしまった食品を捨てることにいつも罪悪感を持っていたので、基材に傷んだ食品が入れられることはとても嬉しいです。


【最後に】

苦手だった調理後の生ごみ対策も、最近はすっかり生ごみを捨てないコンポストで解決。コンポストを使ってみて、思っていたよりずっと楽に続けられることがわかりました。そして、生活の循環が生まれました。何よりも自分で無理せず続けられるやり方で環境を守ることができ、地球の将来を考えるとても大切なことをしているという自覚が生まれました。コンポストは、1人でも、また家族皆でもできることなので、それぞれのライフスタイルの中で環境のことを考えられるのはとても嬉しいことです。



いずれ、コンポストでできた堆肥で野菜を育てることが今からとても楽しみです。皆さんも食べ物を捨てないコンポストのある暮らし、はじめてみませんか?

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