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作り手の思いを大切に。広がりつつあるフードロスサービスを体験してみました。
最近話題になっているのが、フードロス削減のためのサービス。
農林水産省のデータによると、2021年に日本で発生したフードロスの量は前年から1万トン増え、523万トン。そんな状況を変えるべく、最近増えているのが規格外の野菜や廃棄されてしまいそうな食品を手元に届けてくれるサービスです。
フードロス削減のために自身ができることといえば、すぐに思いつくのは「買った食材を余らせない」こと。捨ててしまいがちな野菜の皮や葉を活用したレシピ、傷みやすい食材の冷凍レシピなど、家庭でできることはたくさんあります。
さらにできることを広げたいと思ったときに、SNSでフードロス削減サービスを利用するという選択肢があることを知りました。
実際にいくつかのサービスを利用してみて感じたこと、これから利用してみたいサービスをご紹介します。
・京都の規格外野菜を乾燥野菜にして販売しているOYAOYAさん
おしゃれなパッケージデザインが目を引く乾燥野菜を販売しているOYAOYAさんは、行き場のない野菜に価値を付けることで食品ロスの削減と農業の存続に向き合う、京都発の新しい乾燥野菜ブランド。
流通に乗らない規格外の京野菜を買取りフードロスにつなげているだけでなく、農家さんとのwinwinの関係性を築くために農家さんの言い値で野菜を買い取っているそう。
規格外品だからといって買い叩くのではなく、農業を続けてもらいたいという想いが込められていることを知り、OYAOYAさんを通じて京都の農家さんを応援したい!という気持ちになります。
トマトやニンジン、たまねぎなどの定番野菜のほか、万願寺唐辛子、壬生菜など京野菜ならではのラインナップも揃い、何から試そうか迷ってしまった私は、3つの野菜を試せるセットをチョイス。
届いたその日に早速お味噌汁に入れてみましたが、封を開けるとお野菜のいい香りがふわーっと広がり、幸せな気分に。乾燥させることで旨味が凝縮し、噛むたびに風味が口いっぱいに広がります。
乾燥野菜なので保存可能期間が長いほか、カットされているので急いでいる日に重宝するのも嬉しいポイント。
次はどの野菜にしよう?と悩むのも楽しみの1つになりました。
OYAOYA
・新たなパン屋さんとの出会いも楽しいrebake(リベイク)さん
日本のどこかのお店からロスパンが届くサービスを提供しているのがrebakeさん。
雨の日などの天候で売れ行きが左右され、まだ食べられるのにどうしても捨てざるを得ない「ロスパン」を詰め合わせにしてお届けしてくれる、食べる人も、パン屋さんも、地球にもやさしいパンの楽しみ方です。
アレルギーがあり米粉パンを探していた同僚が利用していたことがきっかけでこのサービスを知り、毎回違うパン屋さんからパンが届く、というお楽しみ感を私も体験してみたい!という気持ちで利用し始めました。
たくさんのお取り寄せセットがある中、まず試したのが「rebakeお楽しみセット」。
お届けのタイミングを選べる定期便で、毎回違うパン屋さんから15~20個ほどのロスパンが冷凍で届きます。食パンやハードパン、調理パン、菓子パンなど詰め合わせの種類は様々。
商品が発送されると、「宝箱が発送されました!」と連絡が届き、ワクワク感が高まります。
パンと一緒に、パン屋さんからの手書きのメッセージや、美味しい食べ方、原材料一覧が入っていることも!安心して食べることができます。
この月に届いたのは、千葉県松戸市のパーティベーカリーさんのパン。
管理栄養士の方がオーナーで、健康を気遣う手書きメッセージに心が温かくなりました!
ロスを減らせることはもちろん、冷凍なのですぐに全部食べる必要がないのも助かっています。
忙しい日の朝ごはんや、子供のおやつ、小腹がすいた時のエネルギー補給などに活用していて、我が家では2か月に1度のペースで利用しています。
rebake
・スマホで注文してポイント還元、無人フードロス販売機foobo
駅や商業施設、オフィスなど、便利で人が集まる場所に設置してあるフードロス食品の販売機「foobo」。最寄り駅に設置されていたため、試しに利用してみようと販売機に近づいたところ、通常の販売機のようにお金を入れ、ボタンを押して買い物をする仕組みではありませんでした。
調べてみると、購入~支払いまではWeb上で手続きをすることで、fooboで商品を受け取ることができることが判明。Webショッピングは家に商品が届くことが基本ですが、fooboで受け取ることで輸送にかかるCo2も削減されるのです。
もう一つなるほどなと思ったのが、価格設定。フードロスサービスは店頭価格を下げて販売することが多いのですが、fooboは定価で販売されています。フードロスだからといって、生産者など作り手の想いを値下げという形で無価値にしてはいけないという考えがあるからだそう。
ひとつ購入するごとに50〜100ポイント(随時変更)がつき、そのポイントでお得に商品を購入できるのです。
取り扱い食品はお菓子やコーヒーなどの加工品がメイン。
この日は、オフィスで飲むためのコーヒーと、最近疲れ気味なのでビタミンサプリをチョイス。
この2つで200ポイントが貯まりました。
私にとってはフードロスコンビニのような感覚で、どんな商品がfooboに入っているか仕事帰りに電車の中でチェックし、駅で受け取って帰るのがちょっとした楽しみになっています。
foobo
■広がるフードロス削減サービス。お気に入りを探してみましょう。
最近は様々なフードロス削減サービスが登場していて、今回ご紹介したものはほんの一部。
私はサービスの背景などを知り応援したくなるもの、利用する楽しさ、利便性などで選んでいます。
今気になっているサービスがこちら。
・TABETTE
利用する楽しみという点で、メディアでも話題のTABETTEに注目しています。
近くで助けを求めているいるお店の商品を検索できるアプリ。お店をお気に入り登録しておけば、出品があった時に「レスキュー依頼」が通知されます。
アプリ上で決済し、指定の時間にお店に取りに行く仕組みです。
試しに登録してみたところ、レスキュー隊に任命され、利用回数が上がるほど経験値が上がるらしいということに既にワクワク感が!
今は近くのお店からのレスキューを待っているところです。
・ロスヘル
形が悪く流通に回らなかった野菜を全国の農家さんから集め、宅配で届けてくれるサービス。農薬や化学肥の使用状況が把握された野菜のみを取り扱い、インスタではレシピの発信も。
自分や家族の健康のために野菜をたっぷり食べたいのもそうですが、こういったサービスを利用することで、全国の農家さんにこれから先も美味しい野菜を作り続けて欲しいという気持ちを少しでも伝えることができれば…と、お試しを検討中です。
フードロス削減は、廃棄にかかるCo2が減るのはもちろん、作り手の思いを大切にするという心を育むことにも繋がります。美味しく食べてもらうために作られた食材は、最後まで無駄にせずいただきたいですよね。
自分に合ったフードロス削減サービスも活用して、無理せず楽しく無駄を減らしていきませんか?