今日からはじめたい、化粧品とサスティナブルな付き合い方

slowz編集部



突然ですが、化粧品を選ぶときに、処分するときのことまで考えていますか?


化粧品メーカーで長年勤務している筆者の感覚では、購入する前に「肌の悩みや、好みに合う化粧品の種類、使い方を知りたい」という方は多いのですが、「使用時や使用後、処分する時に環境への負荷か少ないかどうか」まで考えている方は少ないように思います。

化粧品は、使っている人が心地よく理想の状態で過ごすためのものなので、それも当然かもしれません。

私たちは毎日の生活で多くの化粧品を使っています。ボディソープやシャンプーなどのヘアケア、スキンケアやカラーコスメ。日常的に使う化粧品は片手では収まらないのではないでしょうか。

だからこそ、サステナブルな毎日を送るために「使う時」や「捨てる時」のことも考えて化粧品とお付き合いいただきたい、と地球環境の変化を肌で感じるここ数年、強く感じるようになりました。


■使わなくなった化粧品。どうやって処分する?


インスタ上で「使い切りコスメ」というハッシュタグがあるのをご存じですか?

「使い切りコスメ」とは、最後まで使い切れるほど効果を感じたり、リピートしたいコスメ、という意味です。

それは同時に、世の中に「使い切れないコスメ」がたくさんあることを意味しています。

私も経験がありますが、良さそうだと思って買った化粧品でも、いざ使ってみたら「使用感が苦手、色が合わない、香りがきつい」などの理由で使うのをやめてしまうことがあります。

店頭で試したり、販売員のアドバイスを参考に購入するとそういったケースは減るかもしれませんが、近くに店舗がなかったり、時間がないと試さずに買わざるを得ないこともありますよね。

その中の一部は、洋服で言うと”タンスの肥やし”のように、気づいたら買ってから数年経っている、なんていうことも。

化粧品、特にスキンケアは、一般的に未開封であれば2~3年は使用できるように防腐剤を添加して製造されていますが、一度開封したものは品質保持の観点から1年程度で使い切ることを推奨しています。

アイカラーやチークなどパウダー系のカラーアイテムは水分が少ないので、開封後2~3年経過していても変質が少なく使用できるケースがほとんどですが、トレンドを気にする場合はあまり使う気になれないのではないでしょうか。



処分する際に一番気を付けたいのが、そのまま水に流さないこと。

化粧品には微生物が分解しにくい化学合成品や、海洋汚染の原因となるマイクロプラスチックが含まれていることがあるからです。


化粧水や美容液、クリームなどのスキンケアは中身を古布にしみこませ、可燃ごみに出します。

(古いタオルや服を小さく切ったウエスをストックしておくと便利)


カラーアイテムは、つまようじなどの先端が尖ったもので中身を繰り出し、可燃ごみとして処分します。


中身は可燃ごみですが、容器は自治体により処分方法が違います。

内側がきれいなプラスチックは資源ごみになる自治体もありますし、化粧品容器はすべて燃えないごみとなる自治体もありますので、詳しくは地域の案内を確認ください。




■不要コスメの回収サービスや環境配慮型コスメの選択も


環境のことを考えるなら、まずは少しでもゴミを減らすために「最後まで使い切る」ことが大切。

どうしても使いきれないものは、自身で適切に処分するほか、不要コスメの回収サービスなどを利用するのもおすすめです。

最近では高島屋やルミネなどで期間限定のコスメ回収サービスが登場していて、集まったコスメをクレヨンにアップサイクルしたり、セメントなどの環境資源にリサイクルされることも。

ゴミになる前に、コスメを再利用することができるのです。

新たにコスメやスキンケアを購入する時には「使い終えた後のこと」まで考えられているものを選ぶのもサステナブルな選択の一つ。詰め替えや簡易包装の製品を選ぶことは、すぐにでも始められます。

その他、製造段階から環境に配慮した化粧品ブランドも増えてきました。




自然素材をベースにしているブランドSHIROでは、廃棄を防ぐために製品を作りすぎない、食品にする過程で廃棄になってしまう原料を使う、一部の店舗では再生エネルギーを使うなど、様々な面で環境負荷を減らしています。中でも私がさすがだなと思ったのは、アイカラーパレットの内容量。最後まで使い切ることを考え、色ごとに異なる量を充填しているのだそう。

カラーアイテム、特にアイカラーは使用頻度の低い色だけ余って結局捨てることになるので、こういった取り組みがもっと増えて欲しいです。

https://shiro-shiro.jp/


酵素洗顔料パパウォッシュを販売しているESSは、植物由来のプラスチック容器や、燃焼時に排出されるCo2量を抑えたプラスチック容器を採用するなど、使い終えた時のことも考えられた容器が多いことが特徴。詰め替えも充実しているので、続けるほど環境配慮につながります。

最近発売された「パパウォッシュ フリー」は毛穴汚れがしっかり取れるのに洗いあがりの肌はしっとり。詰め替えもあるので、使い続けるほどゴミが減らせるところがいいですね。

https://www.papawash.com/


他にも数多く存在するエシカルブランド。ぜひお気に入りを探してみてください。


化粧品は、自分をに自信を持てたり、毎日にハリをもたらしてくれるアイテム。だからこそ、後のことまで考えて選び、きちんと使いたいものです。

環境への負担を少しでも減らしながら化粧品を楽しめると、使い終わったあとも心が晴れやかに。

自分をきれいにするものだからこそ、使った後の地球もきれいにする気持ちを大切にしたいですね。

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